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2022.04.28

ご葬儀

ご葬儀マナー基本編

宗教ごとにご葬儀に対するとらえ方が違うため、参列者のマナーにも違いがあります。
亡くなった方を悼む心が大切なのはもちろんですが、基本的な決まりごとを知っておくと慌てることなく参列できます。

今回は日本のご葬儀における代表的な宗教・宗派の香典袋・焼香・弔電についてのマナーをご紹介します。

目次

代表的な宗教・宗派の香典袋・焼香・弔電についてのマナー

仏式(仏教全般)

香典袋

仏教では一般に死後は霊となり、四十九日経つと成仏して極楽浄土に向かうため、四十九日法要前は「御霊前」、以後は「御仏前」となります。
「御香典」は仏前に供える香や金品を意味するため仏式以外では使いません。
水引は白黒や双銀が主で、地域により白黄も使用します。

焼香

1~3回が多く、弔問者が多い場合やホールの葬儀では1回焼香もあります。

弔電

「○○様のご逝去を悼み謹んでお悔やみを申し上げます」「ご冥福をお祈り致します」などの表現が多く使われます。

仏式(曹洞宗の場合)

香典袋

禅宗である曹洞宗には浄土という考え方がなく、極楽浄土に成仏される期間もないため、四十九日前でも「御仏前」を使用することができます。

焼香

曹洞宗は2回焼香とし、1回目はつまんで額に押し頂き、2回目は押し頂かずに香炉に焚きます。

弔電

「謹んでお悔やみを申し上げます」など、仏式の表現となります。

仏式(浄土真宗の場合)

香典袋

故人は死後すぐに極楽浄土で仏となるため、「御仏前」や「御香典」を使用します。

焼香

宗派により1回~3回焼香しますが、いずれも額に押し頂かず、香をつまんだらそのまま香炉に焚き、合掌します。
線香での焼香の場合、火を点けた後に折って香炉に寝かせます。

弔電

霊となって迷うことがないため「冥福を祈る」という表現は避け、「ご訃報に接し、謹んで哀悼の意を表します」などとします。

神式(神道の場合)

香典袋

神道の葬儀(神葬祭)は、亡き人の魂を家に留め守護神になって頂く儀式のため「御霊前」を使用します。
神前に玉串を捧げる玉串奉奠を行うことから「御神前」「御玉串料」なども使われます。
水引は白か銀が多く、蓮の模様があるものは仏式のため避けます。

焼香

焼香はなく玉串奉奠があります。
この時の拍手は両手を打たず、音が立たないよう手をあわせるだけの「忍び手」にします。(二礼 二拍手 一礼)

弔電

冥福を祈るのは仏教の考えのため、「御霊の安らかなることをお祈り致します」などとし、台紙に蓮の模様が入ったものは避けます。

キリスト教式

香典袋

死は終わりではなく神の元に召されるもので、葬儀は神への感謝と故人を懐かしむ場とされます。
本来キリスト教に香典の習慣はありませんが、持参する場合は水引をかけず十字や百合が印刷され「御花料」と書かれたものを選びます。

焼香

焼香はなく、生花を供えます。

弔電

「お悔やみ」や「ご冥福・成仏・ご供養」などの仏式表現は避け「神の御元へ召され、安らかに憩われますようお祈り致します」などとします。

無宗教式(自由葬・偲ぶ会などの場合)

香典袋

通知状に式の案内があればそれに従い、断り書きがない場合は一般的な水引の「御霊前」を使用します。
偲ぶ会や音楽葬では「志」「御花料」なども使われますが、絵柄があるものは宗教を限定する場合があるので避けるようにします。

焼香

無宗教式は献花が多いですが、焼香がある場合は式場の案内に従うか、自分の宗教の作法で焼香します。
数珠を持参しているなら焼香の際に手にかけて使用します。

弔電

「生前のご功績を偲び、謹んで哀悼の意を表します」など、故人への感謝を述べるようにします。
香典や供花、弔電を辞退されている場合もあるため、あらかじめ確認してから送るようにすると良いでしょう。

※ここにあるのはあくまでも一般的な例です。また、宗教や地域の風習、ご寺院によっても異なることがあります。

香典の額について

仏式の葬儀で仏前に供えるお香を持参したのが香典の始まりといわれ、焼香の儀式はその名残とされます。

現代では「何もお手伝いできませんが、せめてお金は出させてください」という意味で香典を持参するようになりました。

香典の額は故人との関係や参列者の年齢により左右されますが、あまり高額だとかえって遺族が困惑してしまうこともあるため注意します。

全国的にみて親の場合は5~10万円、祖父母は1~3万円が多く、親戚で1~3万円、友人・知人で5千~1万円程度が相場といわれています。

友人・知人の場合、特別な事情のない限り多くても3万円くらいに抑えておくようにします。

全国の香典平均額

相手との関係金額の目安
祖父母1万円
両親10万円
兄弟姉妹5万円
おじ・おば1万円
その他の親戚1万円
職場・取引先5千円
友人・隣人5千円
※全日本冠婚葬祭互助会アンケート(H23年度)より

香典の額にあわせて香典袋も変えるようにし、5千円までなら印刷の水引、3万円位までは黒白や双銀で7~10本が束になった水引、3万円以上なら双銀10本以上の水引で和紙で作られたものを選びます。

10万円以上を包む場合は、更に厚みがあり少し大きめの袋にします。

なお、喪主は香典を受け取る立場となるため、通常は香典を出すことはありません。